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中年期の難聴は認知症のリスク!?

耳の聞こえが悪いことは、認知機能の低下に影響すると言われております。先日の新聞記事にも掲載されておりましたが、加齢によって難聴が進むケースはもちろん、なんと耳垢がつまって聞こえなくなることもあります。みなさま「耳のチェック」していますか?

2017年、英医学誌ランセットに認知症とそのリスクについての論文が掲載されました。認知症にかかわる9つの要因、小児期:「①11~12歳までに教育が終了」、中年期:「②高血圧」「③肥満」「④聴力低下」、高年期:「⑤喫煙」「⑥抑うつ」「⑦運動不足」「⑧社会的孤立」「⑨糖尿病」の危険因子の中で、避けうる最大のものが 中年期(45-65歳)における「聴力低下」 だったのです。“聞こえが悪くなることが、認知能力の低下をきたすこと”との相関関係が深いのですが、難聴の進行を食い止めることで(補聴器の活用もその一つ手段)、そのリスクを抑えることができるかもしれないことを示唆していたのです。

耳垢のたまり過ぎ(耳栓のような)により、聞こえが悪くなっている方もかなりの数いらっしゃいます。国立長寿医療センター(愛知県)の60代以上の地域住民792人の調査では、80代では2割の方が、鼓膜が見えなくなるほどの耳垢がたまっていたそうです。成人は耳垢を外に出す「自浄作用」が働くため耳掃除は必要ないといわれますが、加齢とともにこの作用が低下し耳垢がたまって、長期放置にて外耳道がつまってしまうリスクがあります。認知機能が下がっている方では、「耳掃除をしなくなる」➠さらに「耳の不快感を訴えなくなる」➠そして「耳垢がたまる」➠「刺激が低下しさらに認知機能の低下が進む」というような悪循環が起きている可能性があるのです。

もちろん加齢による難聴の進行は個人差があります。毎年健診を受けている方は聴力検査もここで受けられておりますが、難聴があっても耳鼻咽喉科を受診されない方も相当数いらっしゃいます。50歳が近くなると新聞の文字が見えにくくなるように、日常生活でのちょっとした聞こえにくさを経験される方も多いのではないでしょうか? 日常診療でもしばしば経験しておりますが、難聴の方で補聴器を付ければ聞こえが良くなるのに、付けてない方が意外に多いのです。なかには手術が必要な方もいらっしゃいますが、適切な音を耳の中に届ける補聴器は、“視力が落ちればメガネをかける”のと同じように、「聞こえ」という感覚を改善することができる重要なツールなのです。

米国では毎年推定1200万人!が耳垢の除去のために医療機関を訪れているとのことです。ご自身はもちろん、ご家族の耳を“聞こえのプロ”である私たち耳鼻咽喉科専門医をお気軽に訪れていただき、今の聴力を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。

*この内容は、かみむら耳鼻咽喉科の待合で配布しております「かたつむり通信 10月号」に載せた文章の抜粋です。