かみむら耳鼻咽喉科では、鹿児島市・薩摩川内市を中心に耳鼻咽喉科、アレルギー科の日帰り手術に力を入れております。最寄り駅は、JR『鹿児島中央駅』から直通の『川内駅』です。

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難聴

大きく分けて2種類の難聴のタイプがあります。外耳・中耳に原因がある場合の難聴を伝音難聴といいます。代表的病気には鼓膜に孔がいた状態の慢性穿孔性中耳炎や、中耳に液体がたまる滲出性中耳炎などです。内耳から脳までの聴覚路に原因がある難聴を感音難聴といいます。突然キコエが悪くなる突発性難聴や、年齢とともに聞こえが不自由になる老人性難聴、騒音や衝撃音が原因の急性音響性難聴、小児では、おたふく(ムンプス)難聴や遺伝性難聴などがあります。伝音難聴と感音難聴の両方の疾患を伴う難聴は、混合性難聴といわれます。
伝音難聴の多くは、外来処置や投薬、手術治療によって聞こえを回復させることができます。感音難聴のうちで急に悪くなったもの(急性音響性難聴、突発性難聴など)は治せるものもありますが、徐々に進行する難聴(加齢による老人性難聴など)や、先天性の感音難聴などは治すことは困難です。このような場合、補聴器が有効な手段になります。最近は、いままで治療法のなかった感音難聴であっても特に重度の難聴者に人工内耳の手術が行われるようになりました。

一般的に加齢による難聴は、健康な方でも年齢によって徐々に進行していくため、本人には自覚しにくいというところがあります。視力の衰えと違って、聴力は多少低下しても日常生活に大きな支障をきたさないと考えられていることも影響しているのかもしれません。普段の生活の中で、自分の聴力をチェックする機会が少ないために、聴力の低下を自覚するきっかけがないというもの見逃せないポイントです。自分の聴力を知る機会が少ないということが、難聴を自覚している人の割合の低さにつながっていると思われます。会話の中で話の内容がよくわかっていないのに返事をしてしまって相手に誤解を与えたり、途中で何度も聞き返すので会話が弾まなくなってしまったりといったように、スムーズなコミュニケーションができなくなりがちです。 このようなことが重なってくると、知らず知らずのうちに人と話をするのが億劫になり人と会う機会が減ったり、外出しないで家に引きこもりがちになったりということが起きてきます。難聴が原因で「社会からの孤立・疎外」という問題が起きることがあるともいえます。また、難聴のために耳から脳に入ってくる情報が少なくなってくると、脳への刺激が減るために脳の活動が鈍り、認知症やうつにつながる可能性があるのではないかという研究も行われています。 難聴は本人だけの問題ではなく、家族や職場、地域のコミュニティなど本人をとりまく周囲との関係において非常に重要な問題です。

耳鳴り

一般的に耳鳴りはだれでも聞こえると言われています。音の全く無い部屋(無響室)では、ほとんどの方に耳鳴りが聞こえるという研究報告もあります。ほとんどの方は、生活の中では耳鳴りが余りにも小さいために周りの音に消されてしまいます。しかし、耳鼻咽喉科を受診される耳鳴りで長年苦しんでいる患者さまは少なくありません。耳鳴りの悪循環に陥ってしまうと大変つらい状況に陥り、経験のない方には理解しがたいものです。「耳鳴り」とは、周囲の音がないのに、耳の中で感じる音を言い、片耳、両耳、あるいは頭の中で聞こえる場合もあります。

耳鳴りの種類

耳鳴りには「自覚的耳鳴り」と「他覚耳鳴り」があります。また、始まったばかりの耳鳴り(急性耳鳴り)と数ヶ月以上続いている耳鳴り(慢性耳鳴り)では、対応が全く異なります。鳴り始めたばかりの耳鳴りは、できるだけ早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。鳴り始めて数週間以内であれば、完全に音が消える可能性もあります。耳鳴りは、何らかの障害によって現れた症状ですから、早期に診断をつけ、原因疾患の治療を考える必要があります。数ヶ月以上続いている耳鳴りの場合、患者さまの悩みは、「この音何とかならないものか」と日常生活上、苦痛やストレスを感じていることが大半です。しかしながら、数ヶ月以上続いている耳鳴りは、その音を完全に消し去ることは困難なことが多く、上手くつきあっていく必要があります。たとえば海岸の波音や室内のエアコンのようなひっそり音を出している存在に変えることができればよいのです。

自覚的耳鳴り 本人にしか分からない耳鳴りで、「ブーン」、「ジー」、「キーン」などの音があり、周囲が静かになる夜間に強くなることが多い。
他覚的耳鳴り 他人にも聞こえる耳鳴りで、「ザーザー」、「パカパカ」など血管の雑音が出ていることが多い。

耳鳴りの原因と考えられる病気

外耳・中耳の病気 耳垢、外耳の異物(虫など)、中耳炎など。
内耳の病気 老人性難聴、騒音性難聴、突発性難聴、メニエール病など。
耳鳴りのきっかけは内耳の障害が圧倒的に多いといわれます。
中枢(脳)の病気 聴神経腫瘍、脳血管障害、脳腫瘍など。
全身の病気 高血圧、糖尿病、顎関節症など。
その他 ストレス、過労、不眠、二日酔いなど。

「耳鳴り」の検査法

標準純音聴力検査:

一般的な聴力検査です。

ピッチマッチ検査:

「耳鳴り」の音の高さを測定する方法です。

ラウドネスバランス検査:

「耳鳴り」の音の大きさを測定する方法です。

内耳機能検査:

内耳障害で生じる補充現象の有無をみる検査です。

近年、耳鳴りが大きな苦痛につながる「しくみ」がわかってきました。
部屋のかたわらで「かわいいお孫さんの弾くピアノの音」は、たとえ大きくてもあまり気になりません。音が大きくても読書でさえ出来てしまうものです。一方、嫌いな音楽やお隣から聞こえるピアノの音は、たとえ小さくても気になることがあります。さらに、日頃から気に入らない隣人であったり、「またか」という思いがあったりすると、怒りとストレスが生まれて、その音に気持ちはますます向いてしまいます。これは、耳鳴りに対する苦痛と本質的に同じで、脳が持つ高度な機能が関わっています。
 人を含めた高等動物には、いろいろな音に対して無意識で識別する力が備わっています。森の中で体を休めている時、風で揺れる草木の音は聞き流しますが、獣の近づく足音には敏感に反応します。進化の過程で備わった、自分にとって有害な音を意識にあげることが出来る防衛能力です。これは、大脳皮質下という所で無意識に音の識別が行われているとされています。この仕組みには感情も関わっており、獣の近づく足音に対して、恐怖感が強いとさらに敏感に反応します。また、獣の近づく足音に反応した脳は自律神経も調節します。自律神経は活動モードとなり、体を休息状態から緊急体制に切り替えるため、眠気は吹き飛びます。
 このように、自分にとって有害な音と認識されると、脳は意識の中に鮮明にその音を浮かび上がらせるとともに、自律神経をも調節するわけです。この機能が、まさに耳鳴りの苦しみをつくっているわけです。耳鳴りが続けば、誰もが不快です。 耳鳴りが不快と認識されると、頭の中にきわだって意識する現象が生じます。 これがストレスを招き、悪循環に陥っていきます。耳鳴りに対するストレスは、さらに耳鳴りに対する気持ちを強く自覚させていきます。 夜間この状況が起きると、自律神経は活動モードのままとなり不眠に陥ります。 不眠が続くと、寝不足になり、精神的なゆとりをなくします。気持ちのゆとりがなくなると、頭の中は耳鳴りのことばかりになってしまいます。このような悪循環が、耳鳴りが大きな苦痛となっていくのです。

「耳鳴り」の治療法

薬物療法:

抗不安薬、ビタミンB剤、代謝賦活剤、漢方薬などの投与。

音響療法:

耳鳴りを人工的な音で紛らわす方法です。マスカー(人工雑音機)、ラジオのノイズ、音楽、また聴力が低下されている方は補聴器を装用することにより、今まで聞こえなかった音が聞こえ耳鳴りが緩和されることがあります。また、最近の補聴器の中には、環境音や音楽、ノイズの機能のついた機種も発売されており、耳鳴り治療として期待されます。

心理療法(カウンセリング):

耳鳴りに対する理解を深め、原因をみつけ、不安を取り除き、上手につきあうことを目的とします

自律訓練法:

心身ともにリラックスする状態を作り出す方法。

実際、現在のところ完全な治療法(耳鳴りをゼロにする)はありません。また薬物療法のみで、改善することは困難です。いくつかの治療法を組み合わせて、ご自身にあった(以前よりも耳鳴りが気にならなくなる)治療法を試みてはいかがでしょうか。

最後に

「耳鳴り」は完治するのが難しい症状の一つです。しかし、さまざまな治療法を組み合わせながら効果を高めていくことは可能です。上記の「耳鳴りの悪循環」が少しでも改善していけば、以前あれほど苦痛だった耳鳴りが、あまり気にならなくなる日がいずれ訪れることでしょう。