かみむら耳鼻咽喉科では、鹿児島市・薩摩川内市を中心に耳鼻咽喉科、アレルギー科の日帰り手術に力を入れております。最寄り駅は、JR『鹿児島中央駅』から直通の『川内駅』です。

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内視鏡耳科手術セミナー in 山形

  6月7-8日の2日間、かみむら耳鼻咽喉科を休診し、山形大学耳鼻咽喉科にて内視鏡を使った耳の手術の勉強をして参りました(http://www.id.yamagata-u.ac.jp/OLG/index.html#a1) 。昨秋、福岡での耳鼻咽喉科専門医講習会において、内視鏡耳科手術について、山形大学耳鼻咽喉科の欠畑 誠治 教授の講習を受けました。今回は、日本でのこの領域におけるパイオニア 欠畑教授が「内視鏡下耳科手術ハンズオンセミナー」を主催されるとの情報を聞き、2月の応募と同時に申込み、気合い十分で山形に乗り込みました。先日事務局の方に伺ったお話では、なんと、私が最初の受付(!)だったそうです。今回が第2回目で、北は北海道、南は鹿児島(私)まで、全国から約50名の耳鼻咽喉科専門医が集まりました。大半が大学病院や、総合病院からの参加者で、開業医は私のみでした。まだまだ歴史が浅い領域ですが、今後の発展が非常に期待できることに疑う余地はありません。講師は、内視鏡耳科手術(Endoscopic Ear Surgery: EESイースと読んでくださいとのことです: by欠畑教授)の世界的なメンバーが山形に招集されました。‘内視鏡耳科手術の父!’と呼ばれているDr. Tarabich (Dubai,UAE) をはじめ、イタリア、カナダからの先生方、またスカイプを用い、ブラジルからの講演もあり、教科書でしか見られない著明な先生方のお話が生で聞け、とても勉強になり、最先端の情報を感じることができました。中耳炎の手術は、1950年代から顕微鏡が用いられ、飛躍的に技術進歩し、現在に至っております。従来のこの方法は、中耳病変部位の十分な視野・術野を得るために皮膚切開や、骨削開を大きく(健常な部分も含めて)する必要があります。内視鏡を用いることで、低侵襲で・明視下で安全に・経外耳道(耳のなか)からの手術が可能になります。あらゆる外科手術に内視鏡が用いられるようになってきております。傷が小さく、健常部分が出来るだけ残るため、術後の痛みや、術後の回復時間も、以前の手術に比べ、改善されてきております。1980年代後半から、内視鏡を用いた耳手術が報告され、近年の高解像度CCDカメラシステムをはじめ、医療機器の進歩により重要な手術支援機器となりつつあります。現在試行中ですが、今後手技が確立され、普及する領域だと思っております。1990年代に、鼻手術において内視鏡手術がスタンダードになったように、いづれ耳手術も近い将来そうなると思います。

  セミナー初日は、ライブサージェリーでした。午前・午後と実際の手術室で行われている手術を、ライブで手術室講義室のモニターをみながら、講師の先生による解説や質疑応答。また、希望者は手術現場に短時間入れてもらい手術現場の体験(もちろん手を挙げて参加させてもらいました)でした。手術道具、光学機器、通信機器の進歩はすばらしく、これらの進歩とともにより良い治療が出来るようになってきていることをあらためて体験することができました。2日目は、午前は、国内外からの先生方からの講義、午後は待望の、最新の内視鏡耳科手術に使っている道具を使っての模型を用いて疑似手術でした。昨秋の福岡での講習会の模型に比べ、遙かに進化した模型で、今話題の3Dプリンターを用いて、ヒトの耳を含めた側頭骨を準備してありました。このモデルはセミナー直前に完成しモデルで、made in 山形大耳鼻咽喉科とのことでした。骨の削った感じも、本物に近く、耳小骨をはじめ顔面神経も忠実に再現されており、驚きのモデルでした。削っていくと内部にさくらんぼ(さすが山形!)が発見でき、これがゴールの目印とのこと。欠畑教授、やることが細かいです。初日終了後、懇親会(蔵王温泉「深山荘高見屋」http://www.zao.co.jp/takamiya/ 参加者全員・浴衣がフォーマルウエア)、2日目昼のランチ・山形そばなど、学術以外の企画もすばらしく、山形大耳鼻咽喉科関係者の方々の素晴らしいホスピタリティーに感謝・感激です。

  山形には、今回はじめて訪れましたが、自然豊かな素晴らしいところでした。映画「おくりびと」のロケ地の印象そのものでした。山形大の先生のお話によると、我が鹿児島と同様、少子高齢化・医療過疎など、多くの問題をかかえているようです。現在EESは限られた施設で、全身麻酔で行われています。この技術が、少しでも早く臨床の現場、とくに外来で使うことが出来るよう、山形大をはじめ最先端医療の研究をしている方々に期待しております。

 *写真は、講師の先生(カナダのDr.Pothier)が、模型を使って内視鏡を説明している様子です。もう一つは、受講証明書です(サクランボの絵入り)。